ごあいさつ
約1千万人が暮らす小国ベルギーでは、1500種類を超える銘柄のビールが作られています。
国内各地の町や小さな村で造られるビールは、
地元の風土や人々と深く結びつき、季節や地元の素材を大切に育み、
また、多くの銘柄で昔から伝わる製法を守っています。
それらの製品は、私たち日本人のビールに対する概念を覆すような多種多様な味わいを持っています。
しかし、どんなに質の良い製品でも、
その価値を知らずに放っておけばやがて無くなってしまうことでしょう。
上質で幅広い味わいを失うことは、すなわち生活の豊かさを失うこと。
その状況は「好みの認識」という人間の個性を失うことにつながり、
ひいては世界の文化の喪失にもつながりかねません。
味わいの違いを知ることは些細なことのように思えて
実は私たちの情緒的な文化を守る第一歩にもなっていくのです。
ビール文化を含めた食文化は、
人と人とをつなぐコミュニケーションの役割も担っています。
ベルギービールの素晴らしさを知る私たちが、その多様性を伝え、守ることで、
未来の子どもたちに少しでも多くの選択肢を残していくことが大切だと考えます。
「一般財団法人 日本ベルギービール・プロフェッショナル協会」は、
多種多様な味わいを持つベルギービールに関する知識を学び、伝え、
広めていくことで人々の豊かな生活や人生を実現させることを目的としています。
協会の活動は日本とベルギーの食文化の架け橋になるばかりでなく、
世界に向かって新たな食文化を伝播していくこととも確信しております。